夏の郵便受けに、あの封筒が入っている日があります。

電気料金の、お知らせ。

指でぴりっと開ける前から、胃のあたりがきゅっとなる。……

冷房のスイッチを入れるたびに、

心のどこかで「あ、またつけちゃった」って、

小さく罪悪感がわいていた、あのツケが来た気がして。

でもね。汗ばんだ子どもの背中とか、寝苦しそうに寝返りを打つ夜を見ると、

やっぱり消せないんです。「つけたい」と「もったいない」のあいだで、

毎年おんなじように、ぎゅうっと揺れる。

先に、この夏いちばん伝えたいことだけ書きます。

冷房は、我慢しなくていい。

正確に言うと、我慢して消すより、

使い方をちょっと変えるほうが、

体にも家計にもやさしいらしいんです。

じゃあ、その「ちょっと」って何なのか。

うちで実際にやっている小ワザを、順番にお話しします。

最後に、節電よりずっと大事にしてほしいことも書くので、

よかったら付き合ってください。

「こまめに消す」って、ほんとに得なんでしょうか

部屋を出るたびに消して、戻ったらまたつける。

この「こまめに消す派」、うちも長いことそうでした。

それが節約だと、信じて疑ってなかったんです。

でも。家族の出入りが多い時間帯は、こまめに消すより、

設定温度を一定にしてつけっぱなしにするほうが、

かえってラクなこともある、と一般に言われています。

エアコンは、部屋を最初に冷やすときにいちばん電力を使うそうで。

消してはまた一から冷やす、を繰り返すと、

そのぶん負担が増えることもあるみたいなんです。

もちろん、家の広さや断熱の状態、外の気温でも変わるので、

「絶対こうすべき」とは言いません。

うちは、日中ずっと家族が家にいる日だけ、

思いきってつけっぱなしにしてみました。

結果は、拍子抜けするくらい、大きくは変わらず。

むしろ、消すたびに部屋がムワッとなる、

あのストレスが消えたことのほうが、うれしい収穫でした。

じゃあ、暑さそのものは、どうやわらげたらいいんでしょう。

暑いんじゃなくて、”じめっと”がしんどい?

じつは夏の不快感って、気温そのものより、

湿気(空気中の水分の多さ)から来ていることも多いらしいんです。

うちでやっているのは、まず冷房でしっかり冷やして、

涼しくなったら除湿(部屋の湿気を減らすこと)モードに切り替える、

という”ゆるい”使い分け。

冷やしっぱなしより、じめっと感が減るぶん、

体感がラクになる気がしています。

厳密な理屈は、正直よくわかりません。

それでも、「なんだか体がだるい」「肌がべたつく」というとき、

温度を下げるより湿気を取ってみると、

すっと過ごしやすくなることがあるんです。

うちの子まで「今日はべたべたしない」ってたまに言うので、

体感としては、けっこうわかりやすい変化みたいで。

ところが、こうして部屋を冷やしても、

「足元は寒いのに、なんだか頭は暑い」という日があります。

あれ、気のせいじゃないんです。

足元だけ冷えて、上は暑い。あの現象の正体

フローリングで積み木で遊ぶ子どもと、足元のサーキュレーター、見守る母親

冷たい空気は下に、暖かい空気は上にたまりやすい性質があります。

だからエアコンだけつけていると、床のあたりはひんやり、

天井近くはなんとなく暑い、というムラが起きがちなんです。

これ、小さな子どもがいる家では、

けっこう大事なポイントだと思います。

うちの子は、フローリングにごろんと寝転んで遊ぶのが大好き。

大人が感じている室温以上に、

床の冷たさの影響を受けやすいと言われていて、

聞いたときは「たしかに……」と、妙に納得しました。

そこで頼りにしているのが、

扇風機やサーキュレーター(部屋の空気をかき回す小型の送風機)です。

部屋の隅に置いて、空気をゆるく循環させてあげると、

床にたまった冷気が全体に広がって、

設定温度を下げすぎなくても涼しく感じやすくなります。

我が家では、子どもが床でごろごろしている姿を見て以来、

これがほぼ習慣になりました。

でも、ここまで全部やっても効きが悪い日は、

犯人が家の中じゃないのかもしれません。

がんばってるのに効かない…室外機、見てますか?

ベランダで室外機にすだれの日よけを立てかける母親

見落としがちなのが、

外にある室外機(エアコンの熱を外に逃がす屋外の機械)です。

室外機が直射日光を浴びてカンカンに熱くなっていると、

うまく熱を逃がせず、エアコン全体の効きが落ちることがある、と言われています。

効きが悪いと、設定温度をさらに下げたり、長い時間フル稼働させたり。

結果的に、電気代がかさんでしまうこともあるみたいなんです。

対策は、拍子抜けするほど地味です。吹き出し口をふさがない範囲で、

すだれや日よけを立てて、直射日光を防いであげるだけ。

特別な道具も、大きな出費もいりません。

うちも、100円ショップのすだれを、室外機の前に立てかけているだけ。

それだけでも、「なんとなく安心」という気休め以上のものは、ちゃんと感じています。

……ここまで読んで、気づいたことがあるかもしれません。

どれも、我慢とは逆の工夫なんです。

我慢をやめたら、何かが余った

低いテーブルでお茶と簡単な食事、家事を手放してひと息つく母親

冷房を我慢しないと決めると、体力も気力も、

思っている以上に温存できます。

暑さと戦いながらの家事って、

それだけで、じわじわ消耗するんですよね。

だからこそ、冷房でしっかり涼しくしたぶん、

家事のほうは少し手放していい。わたしは、

そう思うようにしています。

まとめ買いで買い物の回数を減らす。

作りおきや宅配・宅食に頼る。

掃除は「毎日」から「気になったとき」へ。

こういう小さな手放しは、罪悪感を持たなくていい工夫だと思うんです。

うちも、暑い時期だけは掃除機を一日おきにして、

代わりに宅配のごはんを増やしています。

それで家が崩壊するかというと、ぜんぜんしません。

むしろ、みんなが元気なほうが、

ずっと大事。毎年、夏に思い知らされます。

それでも、いちばん大事にしたいこと

節電を意識するのは、もちろん大切です。

うちも、あの封筒を見てため息をつく日は、正直あります。

それでも——ここは身勝手な言い分かもしれませんが——いちばん大事なのは、

ママも家族も夏バテせずに、笑って過ごせていること。それだけは、ずっと変わらないと思っています。

暑い日に無理をしないのは、わがままじゃなくて、家族を守る選択です。

今日書いたことを、全部やらなくていい。

「今日はこれだけ試そうかな」を、

ひとつだけ。それで、十分です。

あなたのおうちは、この夏、どんな冷やし方ですか。

※この記事は個人の体験と感想をもとにした一般的な情報で、専門的な助言ではありません。暑さで体調がすぐれないときは、無理をせず医療機関にご相談ください。