「自分がどう感じているのか、よくわからない」
「悲しいはずなのに、涙が出ない」
「イライラしているのに、理由が説明できない」

そんな状態を、アレキシサイミアと呼びます。
むずかしい言葉ですが、実はとても身近な問題です。

そしてこれは、一部の人だけの話ではなく、今の社会全体が抱えている問題でもあります。

感情がわからない社会で起きていること

今の社会では、

  • 忙しさ
  • 正解を求められる空気
  • 「ちゃんとしなきゃ」というプレッシャー

こうしたものが当たり前になっています。

その中で多くの人が、
「感じる」より先に「考える」クセを身につけてきました。

するとどうなるか。

  • つらいのに「大丈夫」と言ってしまう
  • 本当は苦しいのに、気づけない
  • 限界まで我慢して、突然心や体が止まる

これが、社会で静かに増えている現実です。

大人だけの問題ではありません

感情を言葉にできない状態は、
子どもにも影響します

たとえば、

  • 「なんで泣いてるの?」と聞かれても答えられない
  • 怒っているのに、乱暴な行動でしか表現できない
  • 自分の気持ちがわからず、不安だけが大きくなる

これは、心が弱いからではありません。
感情を感じ分ける練習をする機会が少なかっただけです。

ママが悪いわけじゃない

ここで、いちばん大事なこと。

この問題は、
ママの育て方が悪いから起きるものではありません。

ママ自身もまた、

  • がんばるのが当たり前
  • 弱音を吐かないのが正解
  • 感情より結果を重視される

そんな環境で育ってきた世代です。

だから、
「自分の気持ちがよくわからない」
と感じることがあっても、責める必要はありません。

感情がわからないと、なぜ生きづらいのか

感情は、
心のブレーキやハンドルのようなものです。

それがわからないと、

  • 無理をしていることに気づけない
  • 本当は嫌なのに断れない
  • 人間関係で疲れやすくなる

結果として、
心の不調や体の不調として表に出てしまうことがあります。

子どもにできる、たった一つの大切なこと

特別なことは必要ありません。

それは、
「気持ちがあっていい」と伝えること

  • うれしいね
  • くやしかったね
  • よくわからなくてもいいよ

感情を整理できなくても、
存在ごと受け止めてもらえた経験は、
子どもの中にちゃんと残ります。

それが、
将来「自分の気持ちに気づける力」になります。

ママ自身にも、同じことを

最後に。

子どもに向けるやさしさを、
どうかママ自身にも向けてください。

  • よくわからない日があっていい
  • 何も感じない日があってもいい
  • 言葉にできなくてもいい

感情は、無理に引き出すものではありません。
安心の中で、少しずつ戻ってくるものです。

今日も十分、がんばっています。

【参考文献】

  • アレキシサイミアに関する心理学・精神医学の研究文献
  • 感情認知と発達心理学に関する専門書
  • 現代社会におけるストレスと心身相関の研究資料