スーパーで食品を選ぶとき、裏のラベルに「加工でんぷん」と書かれているのを見たことはありませんか?
一見「でんぷんの仲間かな?」と思ってしまいますが、実はこれ、食品添加物のひとつなんです。

加工でんぷんってなに?

「でんぷん」はじゃがいもやとうもろこしなど、自然の植物から取れる成分です。
しかし、そのままでは料理や加工食品に使うと「溶けやすい」「固まりにくい」などの欠点があります。
そこで、でんぷんを化学的に少しだけ加工して、使いやすくしたものが「加工でんぷん」です。

これによって食品のとろみを出したり、形を保ったり、口あたりをよくしたりできます。
たとえば、プリン、カスタード、ハンバーグのタレ、ドレッシング、お惣菜のあんかけなどにも多く使われています。

どうしてこんなにたくさん使われているの?

実は、加工でんぷんは「万能な助っ人」のような存在なんです。
見た目や食感をよくして、長持ちさせる効果があるため、メーカーにとっては欠かせない添加物になっています。

メーカーの話では、調味料(アミノ酸など)は外しても味が少し変わるだけですが、
加工でんぷんを外すと商品としての形や品質が保てなくなることもあるのだそうです。

だから、「無添加」「自然派」をうたう商品でさえ、
「加工でんぷん」だけは使われているケースが多いのです。

加工でんぷんにはどんな問題があるの?

ここで少し気になるのが、「どうやって作られているのか?」という点です。
加工でんぷんの製造には、ブドウ糖とプロピレンオキシドという物質を結びつける方法が使われます。

このプロピレンオキシドは、実はポリウレタン(プラスチック製品など)を作る原料でもあります。
そんな物質が食品に使われていると聞くと、少し不安になりますよね。

さらに問題なのは、このプロピレンオキシドの安全性や毒性が十分に確認されていないことです。
つまり、私たちは今まさに「人体実験」をされているような状況だとも言われています。

EUでは発◯ん性の疑いがあるとして加工でんぷんの使用が制限されていますが、
日本ではまだ明確な規制がなく、不純物を含んだまま使われている可能性もあります。

安全性試験で使われるのは“不純物を除去したサンプル”ですが、
実際に私たちが食べているものは、不純物が残ったままの可能性もあるのです。

加工でんぷんを減らすには?

現代では、加工でんぷんをまったく取らずに生活するのはほぼ不可能です。
でも、「できるだけ少なくする」ことはできます。

たとえばこんな工夫をしてみましょう。

  • 素材のままに近い食品を選ぶ(例:冷凍食品よりも手作り)
  • 裏ラベルをチェックして、「加工でんぷん」「増粘多糖類」「乳化剤」などが少ないものを選ぶ
  • お惣菜やスイーツを買う回数を減らす
  • 家で作れるものは手作りにする

少しの意識で、添加物の摂取量はぐっと減らせます。

子どもを守る「知ること」から始めよう

加工でんぷんそのものは、すぐに体に悪影響を与えるわけではありません。
でも、日々の食事の中でいろんな添加物と一緒に取り続けることで、
体に負担がかかるリスクは高まります。

だからこそ、私たち親が「どんな食品に入っているのか」を知っておくことが大切です。
子どもが食べるおやつや給食にも、実はたくさん使われています。
「知らないうちに食べていた」を防ぐために、まずはラベルを見る習慣から始めてみましょう。

まとめ

  • 「加工でんぷん」は自然のでんぷんを加工した添加物
  • 見た目や食感をよくするために、あらゆる食品に使われている
  • 製造にはプロピレンオキシドというプラスチック原料も使われる
  • EUでは制限されているが、日本では規制がない
  • 少しの意識で添加物の摂取量は減らせる

【参考文献】

  • 加工食品診断士協会『会報11月号 No.67』(2025年)