はじめに:我が子に「好き」を聞いたことはありますか?
「うちの子、何が好きなんだろう?」
忙しい毎日、ついつい子どもに「できること」や「やるべきこと」を求めがち。でもその前に、**子ども自身の『好き』**に、ちゃんと耳を傾けたことはあるでしょうか?
今日は、経営学者・楠木建さんの考えをヒントに、「好き」という感情がどれほど子どもの人生にとって大事なのかを考えてみたいと思います。
子どもの「好き」は、生きるエンジンになる
子どもが夢中になっているもの――虫集め、絵を描くこと、YouTubeを見ること、レゴ、走ること……
それらは一見「遊び」や「ムダ」に見えるかもしれません。
でも、「好き」は努力を努力と感じずに続けられる唯一の原動力です。
評価されなくても、結果が出なくても、勝手にのめり込んでしまう力。
この「のめり込める感覚」は、大人になってからも役に立ちます。
だからこそ、今のうちに「自分の好き」を見つけさせることが、
将来の仕事や人生の選択に深く関わってくるのです。
「好き嫌い」をちゃんと感じられる子に育てよう
好き嫌いというと、ワガママのように聞こえるかもしれません。でも本当は逆。
「自分はこれが好き」「これは嫌い」とちゃんと自分の感覚を言葉にできる子どもは、自分の人生を自分で選ぶ力が育っています。
そしてこの力は、他人の違いも尊重できる「思いやり」の芽でもあります。
自分が「好き」でいられるからこそ、他人の「好き」も認められる。
その土台には、安心して好き嫌いを話せる家庭の空気があるのです。

まずはママ自身の「好き」を大切にしてみよう
私たち親が「やりたくないけど我慢してやってる」状態だと、
子どもにも「やりたくなくても頑張るのが当たり前」というメッセージを無意識に伝えてしまいます。
でも逆に、ママ自身が「これ好き!」と夢中になっている姿を見せてあげれば、
子どもも「好きでいいんだ」と安心できます。
忙しい毎日でも、ほんの数分だけでもいいんです。
自分の「これ、好きかも」を大切にしてみませんか?
おわりに:「好き」は一生モノの力になる
テストの点数や運動能力よりも、
「好きなものがある」「夢中になれることがある」
この感覚を持っている子は、どんな未来でもしなやかに生きていけます。
私たち親にできることは、評価することではなく、
子どもが「好き」を見つけて育てていく時間を、そっと支えること。
今日からちょっとだけ、問いかけてみてください。
「何してる時が一番楽しい?」「どうしてそれが好きなの?」
それは、将来のわが子の宝物になるかもしれません。

【参考文献】
楠木建(2022)『すべては「好き嫌い」から始まる』/文藝春秋