毎日の洗濯。清潔にするつもりが、子どもの肌や健康に思わぬ負担をかけているかもしれません。

特に赤ちゃんや敏感肌の子どもは、洗剤の成分を肌から吸収してしまう「経皮毒(けいひどく)」の影響を受けやすいとされています。

この記事では、洗濯洗剤が与える肌や体への影響と、安心して使える洗剤の選び方をお伝えします。

洗剤が原因?かゆみやかぶれの正体

洗剤には、合成界面活性剤や香料などの成分が含まれています。これらが肌に残ると、以下のようなトラブルを引き起こすことがあります。

かゆみ・赤み・湿疹・水ぶくれ 肌がピリピリする、乾燥する 特にアレルギー体質の子どもや赤ちゃんは、ごく少量でも反応しやすい

また、洗剤を使いすぎたり、すすぎが不十分だと、服に残った成分が汗で溶けて肌に広がることもあります。

香りの裏側。「いい匂い」が体に悪いことも

洗濯物の香りが強いと、「清潔」「安心」と感じるかもしれません。でも、人工の香料は化学物質。

その香りを吸い込んだり、肌から吸収(=経皮毒)されることで、以下のような体調不良を起こすことがあります。

頭痛・吐き気・息苦しさ・めまい 肌のかゆみ・赤み 物忘れや集中力の低下

一度こうした化学物質過敏症になると、わずかな香りにも反応しやすくなります。

マイクロプラスチックが肌に触れるリスク

最近の洗剤や柔軟剤には、「香りを長持ちさせるため」にマイクロカプセル(マイクロプラスチック)が使われることがあります。

この微細な粒が洗濯後も衣類に残り、直接肌に触れることで肌荒れやかぶれの原因になります。

さらに、マイクロプラスチックは環境にも残りやすく、分解されにくいことから、今ではEUなどで使用規制が進められています。

アレルギーや肌荒れを防ぐ洗剤の選び方

子どもの肌を守るために、洗剤選びのポイントを押さえておきましょう。

無添加・無香料タイプを選ぶ 石けん成分や天然由来の洗剤を使う 界面活性剤・蛍光剤・酵素などをチェック 「敏感肌用」「アレルギー対応」表示がある洗剤を選ぶ すすぎ残りの少ない洗剤を使い、2〜3回すすぐ 洗剤の使用量は適切に。入れすぎはNG

合成洗剤と石けん洗剤、どちらが安心?

比較項目合成洗剤石けん洗剤
主成分合成界面活性剤(石油・天然油脂由来)純石けん分(天然油脂由来)
肌への刺激強めやさしい
成分構成添加物が多い場合もシンプル
環境への影響分解されにくい短期間で分解される

石けん洗剤は洗浄力はやや穏やかですが、肌にも環境にもやさしく、経皮毒のリスクも低くなります。

まとめ:ママの選択が家族の健康を守る

毎日使う洗濯洗剤だからこそ、「どんな成分が含まれているか」「肌に残らないか」を意識することが大切です。

子どもの肌トラブルが気になる時は、まず洗剤を見直すことから始めてみましょう。

「香り」や「泡立ち」よりも、「安心して使えるかどうか」を基準に選んでみてください。

【参考文献】

  • 環境省「香害(こうがい)に関する調査資料」
  • EU環境規制ガイドライン(マイクロプラスチックに関する規制)
  • アレルギー疾患対策基本指針(厚生労働省)
  • 『経皮毒の真実』(竹内久米司著)