「早く宿題やりなさい!」「なんで始めないの?」
つい毎日のように言っていませんか?
でも、子どもがやる気を出すのを“待っていても始まらない”ことって多いですよね。
実は、やる気が出てから行動するのではなく、
行動するからやる気が出るという逆の順序が、科学的にも証明されているんです。
「やる気は後からついてくる」クレペリンの“作業興奮”とは?
この考え方を裏付けるのが、ドイツの精神医学者エミール・クレペリンによる「作業興奮」という理論。
これは、
「やる気がなくても作業を始めると、だんだん気持ちが乗ってくる」
という現象を指します。
最初は面倒でも、ちょっとだけ始めてみることで、脳が刺激されてドーパミンが分泌され、自然とやる気が出てくるんです。
ママができる!“最初の一歩”をサポートする3つの工夫
1.「5分だけやってみよう」と時間を区切る
「全部やろう」だと重いけれど、「5分だけなら…」と子どもも取りかかりやすくなります。
2.一緒にスタートしてあげる
最初の1ページだけ一緒にやってみる。手をつけたことで、自然と自分で進めることも。
3.終わったらしっかり褒める
最初の行動が成功体験になると、次からのハードルがぐっと下がります。
行動のハードルを下げてあげるのが、やる気スイッチ!
子どもにとっては「やらなきゃいけない」より、「ちょっとやってみた」が大事。
やる気が出るのを待つのではなく、「まず始めてみる」という小さな一歩が、実は一番の近道なのです。
おわりに
「うちの子はやる気がない…」と悩む前に、
やる気は“行動の中から生まれる”という視点で、声をかけてみてください。
今日も、「5分だけやってみようか?」から始めてみませんか?

【参考文献】
- Emil Kraepelin. Psychological Work and Reaction(1904年)
- 黒川伊保子『「やる気」が出る脳の仕組み』(2020年)
- 脳科学辞典「作業興奮」
- Angela Duckworth, Grit: The Power of Passion and Perseverance (2016)