フッ素加工フライパンの危険性
「焦げつかないから便利!」と愛用している方も多いフッ素加工のフライパン。
でも実は、アメリカでは10年以上前に使用が禁止された化学物質が使われていたことをご存じでしょうか?
とくに、子どもの健康を守りたいママにとっては知っておきたい内容です。
フッ素加工フライパンとは?
フッ素加工とは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)という化学物質でフライパンの表面をコーティングし、食材がくっつきにくくなる加工です。
「テフロン加工」という名前で知られています。
確かに便利ですが、高温での使用によって有害なガスが発生するリスクがあると報告されています。
子どもにとってのフッ素加工フライパンのリスク
1. 高温加熱で有害ガス発生
260℃以上になると、PTFEが分解し有毒ガスが発生。
吸い込むと「テフロン熱」とも呼ばれる発熱・せき・頭痛などの症状が出ることがあります。
ペットや子どもは特に影響を受けやすいとされます。
2. PFOAという問題物質の存在
かつてフッ素加工に使用されていたPFOA(ペルフルオロオクタン酸)は、
- 発◯ん性の疑い
- ホルモンかく乱作用
- 免疫機能への影響
があるとして、アメリカ環境保護庁(EPA)により2015年までに使用廃止が勧告されました。

【注目】デュポン社の騒動とは?
このリスクが広く知られるきっかけとなったのが、アメリカの大手化学メーカー「デュポン社」の訴訟騒動です。
- デュポン社は、長年にわたりPFOAを工場排水として周辺地域に流出させていました。
- 住民の健康被害(がん、先天性障害など)が多発。
- 裁判の結果、デュポン社は数百億円規模の和解金を支払いました。
この事件は、映画『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』のモデルにもなっています。
この出来事から、「フッ素加工=安全とは限らない」という認識が世界的に広まりました。
アメリカではPFOAを禁止、日本は?
アメリカでは2015年にPFOAの使用を全面廃止。
EUでも使用が大幅に制限され、日本でも現在は「PFOAフリー」の商品が主流になりつつあります。
しかし、代替フッ素化合物(GenXなど)の安全性は不透明で、長期的な健康リスクはまだ十分にわかっていません。
ママにできること
家族を守るために、今日からできることがあります。
- 強火や空焚きは避ける(260℃以上にしない)
- 表面が剥がれたら買い替えを検討
- フッ素加工ではないフライパンを選ぶ(例:鉄・ステンレス・セラミック)
子どもが毎日食べるごはんを作るキッチンだからこそ、安心できる道具を選びたいですね。
まとめ|便利さと安全のバランスを考えて
フッ素加工フライパンは確かに便利。
でも、その便利さの裏にある健康リスクにも目を向けてみませんか?
「知らなかった」では済まされない時代。
ママの“選ぶ力”が、家族の未来を守る力になります。

【参考文献】
- 米国環境保護庁(EPA)「PFOA Stewardship Program」
- 環境省「有機フッ素化合物に関する情報」
- C8 Science Panel「Probable Link Reports」
- Grandjean, P. & Clapp, R. (2015). “Perfluorinated Alkyl Substances: Emerging Insights into Health Risks”
- 映画『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』(実話を基にした映画作品)