家族の健康を守るうえで、毎日の食事に使う食材の「質」はとても大切です。今回は、日本の伝統食材である「豆腐」に注目し、市販品に潜む落とし穴と、本当に安心・安全なおいしい豆腐の選び方をご紹介します。
市販の豆腐、実はこんなに問題だらけ?
スーパーに並ぶ安価な豆腐、手に取りやすく便利ですが、気をつけたいポイントがたくさんあります。
1. 原料の大豆が心配
多くの市販豆腐に使われているのは、ポストハーベスト農薬(収穫後に散布される農薬)や遺伝子組換えの輸入大豆。
「国産大豆使用」と表示があっても、実際は国産が50%程度しか使われていないことも。ラベルの確認は必須です。
さらに、「有機大豆(中国産)」と書かれた豆腐にも注意。中国産の有機大豆は、コスト重視で栄養が乏しい場合があり、栄養価が低い豆腐になっている可能性もあります。
2. 凝固剤がホンモノじゃない
本来、豆腐は「にがり」で固めて作られるもの。しかし現在は、にがりが手に入りにくくなり、代わりにGDL(グルコノデルタラクトン)や硫酸カルシウム(石膏)が多く使われています。
GDLは催奇形性(胎児の発育に悪影響)を持つとされ、硫酸カルシウム(石膏)は、建築材料やチョークに使われる成分。食べ過ぎると腸を刺激し、下痢を引き起こす可能性もあります。
3. 消泡剤の使用
製造中に出る泡を消すために、グリセリン脂肪酸エステル(合成界面活性剤)やシリコーン化合物(シリコーン樹脂)など、なんと8種類以上の化学薬品が使われている場合があります。
特にシリコーン樹脂は成分表示の義務がないため、パッケージに書かれていないこともあります。
シリコーン樹脂は体内で消化吸収されないとされていますが、長期的な健康影響は不明のため、なるべく避けた方が安心です。
4. 蛍光増白剤の危険性
木綿豆腐を作るときに使われる布に、合成洗剤由来の蛍光増白剤が付着していることも。これは発◯ん性があるとされ、赤ちゃん用品や医療用ガーゼでは使用が禁止されています。

じゃあ、どういう豆腐を選べばいいの?
次のような豆腐を選ぶと安心です。
- 国産大豆(できれば無農薬・自家栽培)使用
※「中国産有機大豆」使用の豆腐は避けましょう。 - 凝固剤は「天然にがり」使用
GDLや硫酸カルシウム(石膏)不使用。 - 消泡剤不使用(記載があるものを選ぶ)
- 昔ながらの製法で、しっかりした食べ応えと濃い味の豆腐
こうした「ホンモノの豆腐」は、一口食べただけでその大豆のうまみの濃さと食べ応えに驚くはず。市販の水っぽい豆腐とはまったく別物です。
忙しい毎日でも、家族の健康を守るために、ほんの少しだけ「選ぶ目」を持つことが大切です。
豆腐は日常使いの食材だからこそ、「本物」を取り入れて、安心しておいしく食べましょう。

【参考文献】
- 『食品の裏側』 安部司(東洋経済新報社)
- 日本食品衛生法・厚生労働省通知
- 『ホンモノの食べものくらべ』 船瀬俊介(三五館)
- 『にがりと豆腐の真実』 日本豆腐協会資料