日本では「ん」が長年、死因のトップを占めています。しかし、なぜここまでがんが増えたのでしょうか? 「んは遺伝病」と言われることもありますが、実際に遺伝が関係しているがんは一部にすぎません。日本の医療界は60年以上にわたり「ん対策」を行ってきましたが、ん患者は減るどころか増え続けています。

この記事では、「食と病気と日本人」 という視点から、んが増えた本当の理由を探り、日本人が健康を守るためにどうすべきかを考えます。

① 「んは食源病」— 何を食べてきたかが私たちの体を作る

まず、大前提として理解すべきことは、「人の体は吸った空気、飲んだ水、食べたものによってつくられる」 という事実です。

現代の日本では空気や水は比較的きれいですが、「食べ物」は大きく変化しています。そして、その変化こそが、日本人の健康を脅かしているのです。

食の変化が病気を生み出す

日本の伝統的な食事は、米・味噌・魚・野菜を中心としたものでした。しかし、戦後、GHQの政策により、日本の食生活は劇的に変化しました。

  • 小麦の消費量が増加
  • 肉や乳製品の摂取量が大幅に増えた
  • 加工食品・食品添加物が急増

このような変化とともに、がん患者の数も増加している のです。

② 本当にんを「予防」しているのか?

厚生労働省は「ん対策」として「早期発見・早期治療」を推奨しています。しかし、「早期に見つけて切除する」という方法は、本当に「予防」なのでしょうか?

本来、「予防」とは病気にならないようにすることであり、すでにんになった人の治療を指すものではありません。

「予防」と言いながら病気は増えている

んの発症率が高まり続けているにもかかわらず、日本のがん対策は「ん患者を減らすこと」に成功していません。その理由は、そもそもんの原因」に目を向けずに対策をしているから ではないでしょうか。

③ 禁煙が進むほど肺んが増えている?

「たばこはんの原因」とされていますが、ここには矛盾したデータがあります。

例えば、日本の男性の喫煙率は1965年には約90%でしたが、現在では約20%まで減少しました。しかし、んの死亡率は逆に増えています。

喫煙率が下がれば肺んは減るはずなのに、なぜ増えているのでしょうか?

本当のリスク要因は?

んが増加している背景には、食の変化や食品添加物、大気汚染などの影響 も考えられます。しかし、それらについての調査や対策はほとんど進められていません。

④ 「んを作る食べ物」と「んを防ぐ食べ物」

現代の食事には、んを引き起こすリスクのある食品が多く含まれています。

んリスクを高める食品】

1. 加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコン)

  • 発色剤(亜硝酸塩)が胃の中で発ん性物質ニトロソアミンを生成。

2. 乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)

  • 乳タンパク(カゼイン)はん細胞を増殖させる可能性がある。

3. 食品添加物(保存料・着色料・人工甘味料)

  • 日本は世界で最も多くの食品添加物を使用している国の一つ。

4. 揚げ物や加工食品(ファストフード・スナック菓子)

  • 酸化した油が体内の炎症を引き起こし、んリスクを高める。

んを防ぐ食品】

1. 発酵食品(味噌・納豆・漬物)

  • 腸内環境を整え、免疫力を高める。

2. 緑黄色野菜(ブロッコリー・にんじん・ほうれん草)

  • 抗酸化作用のあるビタミン・ミネラルが豊富。

3. 日本伝統の食事(玄米・魚・海藻)

  • 長寿の秘訣として注目される。

んを防ぐために今日からできること

んを防ぐためには、食事だけでなく生活習慣全体を見直すことが重要です。

  • 加工食品・食品添加物を減らす
  • できるだけ自然な食品を選ぶ(有機野菜・無添加食品)
  • 肉・乳製品を減らし、魚や発酵食品を増やす
  • 運動習慣をつける(1日30分のウォーキングでもOK)
  • ストレスを減らし、睡眠の質を向上させる

まとめ

んは「遺伝」だけでなく、「食生活」と深く関わっています。戦後、日本の食文化が大きく変わったことで、んの患者数は増加しました。

しかし、国のん対策は「早期発見・治療」に偏っており、んにならないための根本的な対策」 はほとんど行われていません。

現代の食生活は、知らず知らずのうちにんを引き起こすリスク を高めています。しかし、食べるものを見直し、自然な食品を取り入れる ことで、んのリスクを減らすことができます。

‘You are what you eat.’

「あなたは食べたものからできている」

この基本に立ち返り、自分や家族の健康を守るために、今日からできること に取り組んでみませんか?

【参考文献】

1. 吉野敏明 (2023). 食と病気と日本人 ――んが増えた理由とは.

2. 厚生労働省 (2023). 「ん対策推進基本計画」

3. 国立がん研究センター (2022). 「んのリスク・予防要因評価一覧」

4. The China Study – T. Colin Campbell, Ph.D. (2006). The Most Comprehensive Study of Nutrition Ever Conducted and the Startling Implications for Diet, Weight Loss, and Long-Term Health.

5. Willett, W. C., Ludwig, D. S. (2020). Milk and Health. New England Journal of Medicine, 382(7), 644-654.

6. McGovern Report (1977). Dietary Goals for the United States. United States Senate Select Committee on Nutrition and Human Needs.

7. World Health Organization (WHO) (2023). Processed Meat and ancer Risk.

8. Harvard School of Public Health (2019). Calcium and Milk: What’s Best for Your Bones and Health?

9. 日本食品添加物協会 (2023). 「食品添加物の現状と規制」

10. 岡田正彦 (2018). 日本人のんと食生活の関係. 日本医事新報社.