春になると、くしゃみ・鼻水・目のかゆみ…。毎年つらい「花粉症」は、実はアレルギー全般と深く関係があります。アトピー性皮膚炎やぜんそく、じんましんなども同じく、「ヒスタミン」という体内物質が関係しているのです。

ヒスタミンとは?

ヒスタミンは、私たちの体内で自然に作られる化学物質です。

• アレルギー反応・免疫調整

• 胃酸の分泌

• 神経伝達

などの大切な働きをしていますが、「過剰」になると、くしゃみ・鼻水・皮膚のかゆみ・腹痛・動悸・イライラなど、さまざまな不調を引き起こします。

アレルギーはヒスタミンのバランスが鍵

花粉症、アトピー、ぜんそくなどのアレルギー反応は、体内のヒスタミンの「量」と「分泌のされ方」が深く関係しています。ヒスタミンを出すのは「マストセル(肥満細胞)」と呼ばれる免疫細胞で、食べ物や環境からの刺激でヒスタミンを放出します。

例えば:

• グルテン(小麦たんぱく)

• カゼイン(乳製品のたんぱく)

• 化学調味料・保存料・重金属などの有害物質

これらがマストセルを刺激し、ヒスタミンを過剰に分泌させてしまいます。

ヒスタミン過剰による不調の例

胃腸:胃酸の増加→腹痛・胸やけ

:イライラ・不安・集中力低下

心臓:動悸・息苦しさ

子ども:不安が強くなり行動できなくなる

こうした症状は「ヒスタミンアクティベーションシンドローム」と呼ばれることもあります。

ヒスタミンはゼロでいいの?

いいえ。ヒスタミンは、私たちが「起きて」「考えて」「活動する」ためにも必要な物質です。だから、完全に抑えるのではなく、「増えすぎないように整える」ことが大切なのです。

体質も関係ある? → はい、大いに関係します!

実は、ヒスタミンの分解能力には「遺伝的な体質」も関係しています。遺伝子検査でわかる代表的な遺伝子は以下の2つです。

ABP1遺伝子:ヒスタミンを分解する「DAO酵素」を作る遺伝子。変異があると、分解力が弱く、ヒスタミンが体内にたまりやすくなります。

HNMT遺伝子:もう一つの分解酵素を作る遺伝子。こちらの働きが弱い人も、ヒスタミンの代謝が遅れ、アレルギー症状が悪化しやすくなります。

つまり、「花粉症になりやすい体質」は、ヒスタミンの処理能力が弱い可能性があるのです。

まとめ:花粉症と向き合う新しい視点

花粉症やアレルギー症状を「ただの季節的な反応」と思わず、体内のヒスタミン環境や食習慣、遺伝的体質まで含めて見直すことが、根本改善の鍵になります。

• マストセルを刺激しない食生活

 グルテン(小麦製品)やカゼイン(乳製品)を控える。

 化学調味料や保存料の多い加工食品を避ける。

 新鮮な肉や魚、野菜を中心とした食事に切り替える

• 体質に応じたケア

 遺伝子検査(DAO・HNMT遺伝子)を受け、自分のヒスタミン分解能力を知る。

 分解力が弱い人は、ヒスタミンの多い食品(熟成食品、缶詰食品など)を特に避ける。

 自分のアレルギー傾向に応じて、専門医に相談し適切なサプリメントや薬を活用する。

これらを意識することで、毎年のつらい季節を少しでも快適に乗り切ることができるかもしれません。

【参考文献】

•日本アレルギー学会「アレルギーのメカニズム」

• 『Histamine Intolerance – The Missing Link in Health』(Dr. Janice Joneja)

• 『The Mast Cell Activation Syndrome』(Lawrence B. Afrin, MD)

• DAO遺伝子・HNMT遺伝子に関する研究報告(PubMed)