「朝食はしっかり食べなさい」と言われてきたから…でも、ちょっと待ってください。その“常識”が、実は間違っていたかもしれないのです。
朝食の“常識”はどこから来たの?
戦後の日本で広まった「朝ごはんはしっかり摂るべき」という考え。そのルーツは、あの発明王トーマス・エジソンにあります。彼が自分の発明したトースターを売るために、朝食の大切さを広めたのが始まりとされています。農林水産省の調査でも、今や日本人の84%が朝食を摂っているそうです。
でも、最新の研究では、朝食がすべての人にとって良いとは限らないことがわかってきました。

朝は体にとって“過緊張”の時間帯
朝の時間帯、私たちの体は「過緊張状態」にあります。アドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾールといったホルモンが分泌され、交感神経が優位になります。これは「活動モード」に入るための自然な生理反応ですが、この状態で食事を摂ると、実は胃腸には大きな負担がかかります。
腸内環境の悪化が全身に影響
その結果、消化不良を引き起こし、腸内環境が乱れる可能性があります。腸の不調、アレルギー症状の悪化や免疫力の低下、さらには慢性的な疲労や肌荒れなど、全身の不調にもつながりやすくなります。
テレンス・キーリー氏の著書『朝食がからだに悪い』の副題は「その朝食があなたを殺す」。少しショッキングな表現ですが、それほど朝食が健康に与える影響は大きいということです。

朝食と血糖値・脂肪蓄積の関係
さらに、朝食を摂ることで血糖値が急上昇し、その後に急激に下がる“血糖値スパイク”が起きやすくなります。これにより午前中に眠気や集中力の低下、イライラを感じる人も多く見られます。
また、朝食を摂ることでインスリンの分泌が早く始まり、脂肪の蓄積が進みやすくなるという研究もあります。特にパンやシリアルなど糖質中心の朝食は、肥満や生活習慣病のリスクを高める原因にもなります。
だからといって、朝食を完全に抜く必要はありません。でも、「しっかり食べなきゃ」と無理をする必要もないのです。

無理しない朝食のすすめ
たとえば、以下のような対策がおすすめです。
- 温かい白湯やハーブティーを飲む:胃腸を優しく目覚めさせることができます。
- 消化にやさしい果物を少しだけ食べる:バナナやりんごなどが理想的です。
- お腹が空いていない日は無理に食べない:無理せず、昼食からスタートしても大丈夫です。
そんな“ゆるやかな朝食スタイル”でも、家族の健康はしっかり守れます。お母さんが家族の体調を見ながら、朝のリズムに合わせた食事を整える。それが、これからの新しい「朝食のカタチ」なのかもしれません。

【参考文献】
・農林水産省「食育に関する意識調査」
・テレンス・キーリー『朝食がからだに悪い』(亜紀書房)
・新潟大学 名誉教授 安保徹「朝食抜き健康法」
・信州大学 医学部 石井直方 教授の血糖値と肥満に関する研究
・『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(津川友介 著)