子育て中のママは、毎日やることが山積み。洗濯、料理、買い物、子どもの送迎…一日があっという間に終わってしまい、「片付けたいのに進まない!」という悩みは多くのママが抱えているものです。
実は、この「片付けられない」には、性格ややる気とは別の原因があります。脳の働き方や心の状態が影響しているのです。ここでは、その原因と改善のヒントを紹介します。
1. 片付けが進まない3つの原因
① 優先順位を決める力が弱っている
脳には「やることを思いつく力(言語性)」と「順番を決めて実行する力(動作性)」があります。
やることは頭に浮かぶのに、どこから始めるか決められないと、気づけば別のことを始めてしまい、片付けが止まります。
例:片付け中に子どもの工作を見つけて眺めてしまい、気づけば時間が経っている。
② 常に緊張しすぎている
「やらなきゃ」が頭にずっとあると、体は常に緊張状態になり、いざ行動すべきときに動けなくなります。
これは、緊張ホルモンが必要な時に出なくなる「エネルギー切れ」状態です。
③ 完璧にやろうとしすぎる
「やるなら全部一気に完璧に!」という意識が強いと、作業量を想像して疲れ、始められなくなります。
細かい部分にはこだわるのに、全体が整わないままになることも多いです。
2. すぐできる3つの改善法
① 自分へのダメ出しをやめる
「なんで私は…」と責めるとストレスで緊張が高まり、ますます動けなくなります。
代わりに「床に服が3枚ある、1枚だけハンガーにかけよう」と、事実だけを実況するようにしましょう。
② 無意識に任せて行動する
朝、今日の流れをぼんやり想像するだけで、無意識が起動し、自然と片付けが進みます。
「片付けするぞ!」と強く意識しないことがポイントです。
③ 「片付けなければ」をやめる
頭の中で「片付けなければ、を停止」と唱えると、考えすぎが止まり、行動に移しやすくなります。
最初は“1動作だけ”でOK。例えば、床の1枚の服を拾うだけで終わりにしても大丈夫です。

3. 片付けができると変わること
- 頭の中が静かになる
部屋が整うと、心の中のざわつきや焦りも落ち着きます。 - チャンスを逃さなくなる
普段リラックスできていると、必要な時に集中力を発揮しやすくなります。周りからの信頼も高まり、人や機会が集まりやすくなります。
4. 忙しいママにおすすめの「最小行動」ルール
- 今日の最初の1動作だけを決める(例:テーブルのコップ1つ洗う)
- 判断に迷う物は「一時カゴ」に入れ、週1回だけ見る
- 記録は「やった最初の1動作」だけメモする
これなら、子どもが昼寝している短い時間でも取り入れられます。
まとめ
片付けられないのは、怠けや性格のせいではなく、脳や心の状態によるもの。
自己否定をやめ、無意識を味方につけ、「最小行動」を積み重ねることで、少しずつ部屋も心も軽くなります。

【参考文献】
『片づけられない自分がいますぐ変わる本』大嶋信頼