子育てをしていると、
「毎日やることに追われて、自分の気持ちは後回し」
「なんだかずっと疲れている」
そんな状態になりがちです。

幸福学の研究では、幸福感は性格や運だけで決まるものではなく、いくつかの心理的要因の重なりによって支えられていると考えられています。
ここでは、子育て期のママにも深く関わる「4つの因子」を、研究の考え方に沿って整理します。

第1因子:「やってみよう!」因子(自己実現と成長)

この因子は、夢や目標を持ち、それを実現させるために学び、成長しようとする姿勢を指します。
幸福学では、人は「自分が前に進んでいる」「成長している」と感じられるとき、幸福感が高まるとされています。

これは、必ずしも大きな目標である必要はありません。
子育てにおいても、

・その都度考え、判断し、行動している
・昨日より少し工夫できた
・子どもや自分自身の変化に気づけた

こうした経験そのものが、自己実現と成長にあたります。

大切なのは、結果ではなく、「やってみよう」と関わり続けていることです。

第2因子:「ありがとう!」因子(つながりと感謝)

この因子は、人とのつながりを感じ、感謝の気持ちを持てている状態を意味します。
幸福学では、幸福は個人の内面だけで完結するものではなく、他者との関係の中で育つと考えられています。

・家族や友人との関係
・子どもとの日常のやり取り
・誰かに支えてもらっているという実感

これらがあることで、人は安心し、心が満たされやすくなります。

特別な出来事がなくても、「ありがとう」と感じられる瞬間があることが、この因子の基本です。

第3因子:「なんとかなる!」因子(前向きと楽観)

この因子は、物事を必要以上に悲観せず、気持ちを切り替えられる心理的な柔軟性を指します。

幸福学では、困難や失敗が全くないことよりも、
起きた出来事から回復できる力が幸福感に大きく関わるとされています。

・うまくいかない日があっても引きずりすぎない
・状況は変えられると考えられる
・「まあ、なんとかなる」と思える

こうした楽観性は、生まれつきではなく、経験や考え方によって少しずつ育つものです。

第4因子:「ありのままに!」因子(独立と自分らしさ)

この因子は、他人と自分を過剰に比較せず、自分らしさを受け入れている状態を意味します。

幸福学では、自己受容が高い人ほど、幸福感が安定しやすいことが示されています。

・周囲と違っていても気にしすぎない
・完璧でなくてもいいと思える
・今の自分なりにやっていると認められる

この因子は、「頑張らない」という意味ではありません。
「自分を責め続けない」ことが、心の安定につながると考えられています。

子育て期の幸福は「整えるもの」

幸福学の視点では、幸福とは努力で無理に作るものではなく、
心の条件を整えることで自然と感じやすくなる状態とされています。

子育て中のママは、すでに多くの因子を日々満たしています。
足りないのは「頑張り」ではなく、「自分への理解」かもしれません。

【参考文献】

幸せな人生を送る子どもの育て方(前野隆司)
幸福学(Well-being研究)に関する心理学・社会学研究
主観的幸福感と心理的因子に関する研究
日本人を対象とした幸福因子分析研究