「うちの子、テストの点は普通。でも人の気持ちを読むのがすごく上手…」
「宿題は嫌いなのに、レゴを組み立てると何時間も集中する」
もしそんな姿を見たことがあるなら、それは“才能”のサインかもしれません。
アメリカの心理学者ハワード・ガードナーは、人間の知能は1つではなく、8つのタイプがあると提唱しました。
つまり、「勉強ができる=頭がいい」だけではないのです。
8つの知能タイプと家庭での実例
- 言語的知能
文章や会話が得意。
例)夕食の献立を説明するのが上手、友達に面白く話を伝えられる。
→ 毎晩「今日あったこと3つ」を話す習慣で伸ばせます。 - 論理・数学的知能
数字やパターンを理解する力。
例)お菓子作りで「あと50g」と聞くとすぐに計量、割り算を生活の中で活用。
→ お買い物で「100円のお菓子を3つ買うといくら?」と質問してみましょう。 - 空間的知能
形や色彩を見分ける力。
例)地図を見て行き先を覚える、家具の配置を考えるのが好き。
→ 模様替えや積み木遊びで磨かれます。 - 身体・運動的知能
体の使い方が上手。
例)縄跳びをすぐに習得、手先を使った折り紙や編み物も得意。
→ 家事のお手伝いも才能を育てる場になります。 - 音楽的知能
音やリズムに敏感。
例)CMソングを一度で覚える、歌いながら掃除を始める。
→ 家事中にBGMを流し、一緒に口ずさむだけでも伸びます。 - 対人的知能
人の感情や状況を読み取る力。
例)友達が悲しいとすぐ気づく、仲直りのきっかけを作る。
→ 家族会議や役割分担の話し合いで育ちます。 - 内省的知能
自分の気持ちを理解する力。
例)「今日は疲れたから少し休むね」と自分の状態を言葉にできる。
→ 日記や感情を色で表すゲームがおすすめ。 - 博物的知能
自然や動物への興味。
例)公園で昆虫を観察して特徴を説明、石や葉っぱを集める。
→ 家庭菜園や水槽での飼育も学びの場になります。
ママができる3つのサポート法
- “欠けている部分”ではなく、“光っている部分”を見る
例)算数は苦手でも、物語を作る力があるなら作文や絵本作りをサポート。 - 遊びを学びに変える
例)数字が苦手なら、料理やお金計算の中で数字に触れさせる。 - 比べるのは兄弟ではなく“昨日のわが子”
例)「お兄ちゃんはできたのに」ではなく、「昨日より縄跳びが2回多く跳べたね」と声をかける。

実際にあった変化の例
私の知り合いのママは、小学2年生の娘さんが「体育も算数も苦手…」と悩んでいました。
でもガードナーの理論を知って、「音楽的知能がすごく高い」ことに気づき、合唱団に入団。
すると歌を通して自信がつき、学校生活にも積極的になり、算数の成績も自然と上がっていきました。
才能を見つけることは、苦手克服よりも先に“心のエンジン”をつけることだったのです。
まとめ
多重知能理論は、わが子の可能性を「学力」だけで測らない大きな視野をくれます。
ママの見方が変われば、子どもの毎日はもっと輝きます。
子育ては「平均点」を目指す競争ではなく、その子だけの強みを輝かせる旅。
今日から、わが子の得意分野を見つける冒険を始めてみませんか?

【参考文献】
- Gardner, H. (1983). Frames of Mind: The Theory of Multiple Intelligences. Basic Books.
- Armstrong, T. (2018). Multiple Intelligences in the Classroom. ASCD.