腸内細菌の力をあなどらないで!
腸は、体内最大の免疫器官。
体の免疫細胞の約6割が腸に集まっていることがわかっています。
生まれる前の赤ちゃんの腸は無菌状態。
出産のときに、産道を通り抜けながら細菌をとりこみ、それが腸内細菌となります。
そして、腸内細菌の種類やバランスは、3歳ごろまでにほぼ決まるとされています。
最近では、除菌・抗菌よりも、多種多様な菌とふれあうほうが健康によいと考えられるようになってきました。
また、難しい病気の治療に使われる「便移植」も、腸内細菌のバランスが健康を左右することを示しています。
腸を整えると、免疫力もアップする!
腸内環境をよくすると、
• 感染症や病気にかかりにくくなる
• 肥満になりにくい体質になる
など、子どもにとって大きなメリットがあります。
腸を元気にすることは、「健康な未来をつくる第一歩」なのです。
毎日の食事で腸内環境をメンテナンスしよう
腸内細菌は3日ほどで入れ替わるといわれています。
だからこそ、毎日の積み重ねが大切!
⚫︎発酵食品を毎日とろう
- 納豆
- みそ
- キムチ など
乳酸菌などの善玉菌を体に入れる習慣をつけましょう。
1日1つ、発酵食品をとることを目指してください。
⚫︎主食は抜かない
善玉菌のエサになるのは、炭水化物(糖質・食物繊維)。
主食を抜くと腸内細菌が元気を失ってしまいます。
⚫︎食物繊維はバランスが大事
食物繊維には2種類あります。
種類 | 特徴 | 多く含む食材 | 注意点 |
不溶性食物繊維 | 腸を刺激し便のカサを増やす | 玄米、シリアル、にんじん、きのこ、バナナ | 直腸性便秘の子どもには逆効果になることも |
水溶性食物繊維 | 便に水分を含ませやわらかくする | 納豆、海藻、こんにゃく | バランスよくとると◎ |
便秘対策には、水溶性食物繊維もしっかり取り入れることがポイントです!

まとめ|「腸を育てること」が子どもの未来を育てる!
子どもの健康を守るためには、腸内環境を整えることがカギです。
- 発酵食品を毎日1つとる
- 主食をきちんと食べる
- 不溶性・水溶性食物繊維をバランスよくとる
毎日の小さな習慣が、子どもたちの元気な体と強い免疫力を育てます!
「腸を育てる子育て」、今日から始めましょう!

【参考文献】
- 「腸内細菌と免疫機能に関する研究」日本免疫学会
- 「腸内フローラと疾患との関係」日本消化器病学会雑誌
- 「発酵食品と健康」農林水産省