今日は、子どもが大好きな“甘いもの”に含まれる「砂糖」「果糖」「黒糖」についてお話しします。
「黒糖は体にいい」と信じていませんか?実は、それが落とし穴かもしれません。
黒糖は体に良い?という誤解
「精製された白砂糖はダメ。でも黒糖なら安心」と思っていませんか?
確かに黒糖には、ミネラル(カリウム・カルシウム・鉄分など)が含まれているというメリットがあります。
しかし、それでも本質は「糖分」。つまり、果糖とブドウ糖の混合物であり、摂りすぎれば脂肪の蓄積や代謝異常を引き起こすリスクがあるのです。
「黒糖だからいっぱい食べてOK」ではないということを、ぜひ覚えておいてください。
果糖の落とし穴 ― 見えないところに潜む「太るスイッチ」
砂糖や黒糖などに含まれる果糖(フルクトース)は、体内でエネルギーとして使われにくく、脂肪をためこむスイッチを入れてしまうことが分かっています。
特に現代の加工食品には、「ブドウ糖果糖液糖(異性化糖)」という液体甘味料が多く使われており、清涼飲料水・パン・ドレッシング・お菓子など、気づかないうちに大量摂取していることがあるのです。
果糖は脳にも影響。子どもの食欲が止まらない原因に?
果糖は満腹中枢や食欲調整のホルモンに干渉し、「もっと食べたい」「もっと甘いものがほしい」といった過食行動を促進させることがあります。
さらに、果糖が◯んの増殖や糖尿病のリスクを高めるという研究結果もあります。
つまり、甘いものの摂りすぎは、将来の病気のリスクに直結する可能性があるのです。

フルーツの果糖は大丈夫?
「じゃあ果物に含まれる果糖も危険?」と思われるかもしれませんが、果物は違います。
フルーツには、
- 食物繊維
- 抗酸化物質
- 水分
などの健康を守る成分が豊富に含まれています。
食べ過ぎにくく、体にもやさしい甘さです。安心して取り入れてOKですが、ジュースにして飲むと過剰摂取になりやすいので注意が必要です。
スーパーでできる!ママの簡単チェック術
お菓子・ジュースを選ぶとき、パッケージ裏の原材料名をぜひ見てみてください。
要注意ワードは以下です:
- ブドウ糖果糖液糖
- 果糖ブドウ糖液糖
- 異性化糖
- 精製糖
黒糖も同様に「糖」であることを忘れずに。「健康そう」に見えても“摂りすぎれば同じ”です。
少しの意識が、大きな健康につながる
子どもは甘いものが大好き。でも、それを与える私たち親の判断が、未来の健康を左右します。
「避ける」のではなく、「気をつける」「選ぶ」を心がけるだけで十分です。
黒糖やフルーツも、上手に取り入れることで“良い甘さ”に変わります。

【参考文献】
- Lustig, R. H. (2010). “Fructose: metabolic, hedonic, and societal parallels with ethanol.” J Am Diet Assoc.
- Tappy, L. et al. (2010). “Metabolic effects of fructose and the worldwide increase in obesity.” Physiol Rev.
- 日本食品標準成分表(文部科学省)
- 消費者庁「食品表示法」
- 国立健康・栄養研究所「果糖の代謝と健康影響」