子どもが将来自分の力で人生を切り拓いていけるようになるために、私たち親ができることは何でしょうか?
「知識を教えること」ではなく、「問いかけること」にヒントがあります。

やり抜く力は、親の関わり方で育つ

「どんなことでもすぐに投げ出してしまう」「やり始めても続かない」
そんな悩みは多くのママが感じることです。でも実は、「続ける力=やり抜く力」は、もともと備わっているものではなく、日々の関わりで育つ力なのです。

命令ではなく、理由を伝える

「早く片付けなさい!」と言うよりも
「片付けると次の人が気持ちよく使えるね」と伝える方が、子どもは納得し、自分から動くようになります。
子どもが“なぜその行動が大切なのか”を理解することが、自分の力でやり抜く基盤になります。

褒めすぎないで、行動の意味を伝える

褒め言葉が多いほど、子どもは“ごほうび”を求めて動くようになりがちです。
「すごいね」ではなく、「みんなが気持ちよく過ごせるね」と、行動の価値に気づかせる言葉をかけてみてください。

興味から始まる「続ける力」

子どもが興味を持ったことは、自然と長く続けられます。
毎回違う公園に行ったり、自由に遊べる環境をつくるだけで、子どもの「やってみたい」気持ちはどんどん育ちます。
その中での成功体験が、“やり抜く力”へとつながっていきます。

問題解決力を伸ばすコツは「答えを教えない」

子どもが何かに困ったとき、つい親が先回りして「こうしなさい」と言ってしまいがち。でも、実はその“困った”こそが成長のチャンスです。

子どもに考えさせる問いかけ

「どうしたらうまくいくかな?」「なんでそうなったと思う?」
こうした問いかけを通して、子どもは自分の中に答えを探し、自らの力で課題を乗り越えていくようになります。

失敗を見守る勇気を持つ

例えばすべり台を逆から登るような“無茶”な行動も、何度も挑戦する中で「うまくいかない理由」を学びます。
その過程が、考える力を育てていくのです。

もちろん、他の子がいるときは「順番を守ろうね」といった社会的ルールも伝えていくことで、思いやりも同時に育まれます。

父親の役割は「体験型の教育」

母親が言葉で気持ちを伝えるのに対し、父親の関わりは「体を使った遊び」の中で自然と課題解決を学ばせるもの。
組み立てや冒険ごっこ、ちょっとした“挑戦遊び”を通じて、子どもは考え、工夫し、成長していきます。

最後に:親の姿勢が子どもの力を決める

子育ては“教える”ことではなく、“問いかける”こと。
その問いかけの中で、子どもは考える力・やり抜く力・問題を乗り越える力を自然と身につけていきます。
何かを与えるよりも、「考えるきっかけを与える」こと。
それが、親としてできる最高のサポートかもしれません。

【参考文献】

  • 「子どもの経済力を決める父親からの問いかけ」マルコ社
  • 心理学者アンジェラ・ダックワースによる「グリット」の定義と研究
  • カリフォルニア大学の親子の役割に関する研究
  • 育児における内発的動機と外発的動機の比較に関する研究