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「疲れやすい」「集中できない」は鉄不足が原因かも?
最近、子どもが「すぐ疲れる」「ぼーっとしている」と感じることはありませんか?
その原因、鉄不足かもしれません。
鉄は、体中に酸素を運ぶ血液(ヘモグロビン)をつくる重要な栄養素。鉄が足りないと血液がうまくつくられず、体中に十分な酸素が行き渡らなくなります。
これが、鉄欠乏性貧血です。
鉄不足による症状は、青白い肌やめまいだけではありません。
実は、
- 疲れやす
- 元気がない
- 集中力が続かない
なども、鉄不足サインの一つです。
つまり、鉄は「子どもの元気のファイナルアンサー」とも言えるのです!
鉄は吸収しにくい栄養素。だからこそ賢くとろう!
鉄には2種類あります。
ヘム鉄とは?
- 動物性食品に含まれます。
- 体への吸収率が高く(約25%)、しっかり体に取り込まれます。
- 食後にタンニンを多く含むコーヒーや紅茶を飲んでも影響を受けにくく、効率よく鉄補給ができます。
- 代表的な食品は、かつお、まぐろ、レバー、豚ヒレ肉、牛もも赤身肉など。
元気な体をつくるために、ヘム鉄を意識的にとるのがポイントです!
非ヘム鉄とは?
- 植物性食品に含まれます。
- 体への吸収率は低く(約3〜5%)、吸収に工夫が必要です。
- 特に、食後30分以内にコーヒーや紅茶(タンニンを多く含む)を飲むと、吸収がさらに悪くなるので注意が必要す。
- ただし、ビタミンCと一緒にとると吸収率がアップします!
- 代表的な食品は、ほうれん草、ひじき、納豆、豆腐、プルーンなど。

実は、鉄不足は「離乳期」から始まっているかも?
子どもはお母さんのお腹の中で、鉄を「貯蔵鉄」として蓄えて生まれてきます。
でも、お母さんが妊娠中に貧血だった場合、赤ちゃんの貯蔵鉄も少ないことがわかっています。
また、出生体重が小さい赤ちゃんほど、鉄のストックが少ない傾向も。
そのため、離乳食期に鉄をしっかり補えなかった子は、成長途中で鉄欠乏性貧血になりやすいのです。
「よく泣く」「落ち着きがない」「発達がゆっくり」
こんな様子が見られたら、鉄不足が隠れている可能性も。
まとめ|鉄をとって、子どもの「元気」と「未来」を守ろう!
もし「うちの子、鉄不足かも?」と思ったら、今日からできることは簡単です。
- めん類やパンばかりでなく、毎日お肉や魚をとる
- 赤身肉(牛、豚、鶏むね肉など)や赤身魚(カツオ、マグロなど)を意識する
- 鉄だけでなく、たんぱく質も一緒にとれる食材を選ぶ
子どもたちの「元気な毎日」と「健やかな成長」のために、まずは食卓を見直してみましょう!

【参考文献】
- 「子どもの鉄欠乏性貧血に関する調査研究」厚生労働省
- 「鉄欠乏と発達障害との関連」日本小児科学会雑誌
- 「栄養と鉄の吸収について」日本栄養改善学会誌