私たちの身のまわりにあるペットボトル・缶詰・レトルト食品のパウチ

実はこうした容器に使われているプラスチックの一部に、BPA(ビスフェノールA)という化学物質が含まれていることをご存知ですか?

このBPA、便利な素材ではありますが、**子どもの健康にとっては“見えない危険”**が潜んでいるのです。

BPAってなに?

BPA(ビスフェノールA)は、プラスチックを固くしたり、透明にするために使われる化学物質です。

哺乳瓶、食品保存容器、缶詰の内側のコーティングなどにも使われています。

問題なのは、このBPAが熱や衝撃で食品に少しずつ溶け出してしまうこと。

なにが危険なの?

BPAは「環境ホルモン」の一種。

つまり、体のホルモンバランスを乱す作用があるとされています。

とくに影響が心配されているのは、次のようなこと:

  • 子どもの発達や成長への悪影響
  • 早熟や思春期の乱れ
  • 将来の不妊リスク
  • 脳の発達・行動の変化

アメリカやEUなどでは、赤ちゃん用の哺乳瓶や食器への使用を禁止している国もあります。

見逃しがちな「コンビニ弁当」と「紙コップ」

● コンビニ弁当

コンビニのプラスチック容器も、BPAが使われている可能性があります。

とくに電子レンジで加熱することで、容器からBPAが食品に移るリスクが高まります。

さらに、添加物・油・糖分・塩分も多く含まれており、子どもにはできるだけ控えたい食品です。

● 紙コップ

紙コップの内側には、水漏れを防ぐためのプラスチックコーティングがされています。

これにもBPAが含まれていることがあり、熱い飲み物を注ぐと溶け出すおそれがあります。

特に子どもにホットミルクやスープを紙コップで与えるときは、なるべく陶器やガラスのカップを使うようにしましょう

日本ではどうなっているの?

日本では、いまのところ全面的な使用禁止にはなっていません

「安全性には問題がない」とされていますが、それは大人の基準

子どもや赤ちゃんの体はまだ小さく、影響を受けやすいのです。

ママにできること

完璧に避けるのは難しくても、「少し意識する」ことから始めてみましょう。

  • 電子レンジ加熱はガラス容器に(プラスチック容器は避ける)
  • BPAフリーの哺乳瓶・水筒・食器を選ぶ
  • 缶詰・コンビニ弁当・レトルト食品をなるべく控える
  • 紙コップではなく、繰り返し使えるマグカップやタンブラーを使う

まとめ|選ぶ力が、未来をつくる

BPAは目に見えません。でも、確かに私たちの暮らしに存在しています。

子どもの体はとても繊細だからこそ、少しの選択が未来を守る力になるのです。

「これは安全かな?」と一歩立ち止まる、そんなママの気づきが、

家族を健康へと導く第一歩になります。

【参考文献】

  • 厚生労働省「ビスフェノールAに関する食品安全委員会の評価結果について」
  • 食品安全委員会「ビスフェノールA(BPA)のリスク評価」
  • 欧州食品安全機関(EFSA)「Bisphenol A: EFSA sets tolerable daily intake」
  • アメリカ食品医薬品局(FDA)「Bisphenol A (BPA): Use in Food Contact Application」
  • 環境省「環境ホルモン戦略計画SPEED’98・SPEED’13」