今日は、私たちの毎日の食事にひそんでいる“見えないリスク”――トランス脂肪酸についてお話します。
トランス脂肪酸ってなに?
トランス脂肪酸は、液体の油に水素ガスを加えて無理やり固めたときにできる油です。マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどに使われています。
安い大豆油や菜種油を固めて、加工食品にたくさん使われています。
例えば…
- ケーキ
- クッキー
- ドーナッツ
- スナック菓子
- 菓子パン
- ラクトアイス
- カレールー
- コーヒーフレッシュ
など、子どもが大好きな食品や、忙しいときに便利な食品にも含まれていることが多いのです。

なぜ危険なの?
トランス脂肪酸は、心臓病のリスクを高める毒性のある脂です。
アメリカでは2018年に全面禁止。カナダ、ヨーロッパ、タイ、シンガポールなどでも使用が禁止されています。法律で禁止されてますので使用すると犯罪になります。
中国や韓国では、食品への表示が義務づけられており、世界的には「トランスフリー(ゼロ)じゃなきゃ売れない」時代になってきています。
にもかかわらず、日本では今も当たり前のように使われています。

糖尿病との関係も…
実は、トランス脂肪酸は糖尿病のリスクを高める要因の一つでもあります。
糖尿病の原因といえば「甘いもの」と思われがちですが、実はそれだけではありません。
以下の3つが大きな原因と考えられています。
- 白米・小麦粉・砂糖
- トランス脂肪酸
- クロム不足
これらが連動することで、体に負担がかかり、血糖値の乱高下を引き起こしてしまうのです。

ママにできること
子どもたちの健康を守るために、以下のような習慣を意識してみてください。
- 原材料に「マーガリン」「ショートニング」「ファットスプレッド」と書かれている食品は避ける
- スナック菓子や菓子パンを毎日ではなく、ときどきの楽しみに
- 手作りおやつや、素材のシンプルな食品を選ぶ
毎日の食事は、小さな積み重ねが大切です。
「ちょっと気をつけるだけ」で、子どもたちの未来の健康を守ることができます。
これからも、ママとしてできることを一緒に学んでいきましょう。
次回も、家族のために役立つ知恵をお届けしますね。

【参考文献】
- 厚生労働省「トランス脂肪酸に関する情報」
- 米国食品医薬品局(FDA)「FDA takes step to remove artificial trans fats」
- カナダ保健省「Banning trans fats in foods」
- タイ保健省「Thailand bans trans fat」
• • 独立行政法人 国立健康・栄養研究所「食品中の脂質と健康との関係」