はじめに
「早く宿題しなさい!」
「片付けなさい!」
毎日同じ言葉を繰り返して、気づけば怒ってばかり…。
寝顔を見ながら「今日も笑顔で接してあげられなかったな」と反省すること、ありませんか?
実はその悩み、心理学の“返報性の原理”を知ることでぐっとラクになるかもしれません。
返報性とは、「してもらったことは返したくなる」という人の本能的な心理。
ママの声かけひとつで、子どもが「やりたい!」と自然に思えるようになるんです。
返報性の原理とは?
返報性の原理とは、「人は親切や好意を受けたときに、それを返したくなる心理」です。
例えば、友達にプレゼントをもらったら「私もお返ししたいな」と思いますよね。
これは大人だけでなく、子どもにも強く働く感情です。
子育てで返報性の原理を活かす3つの方法
1. 「ありがとう」の魔法をかける
おもちゃを片付けたときに、「ちゃんとできたね、ありがとう!」と伝える。
その一言が「ママに喜んでもらえた、またやりたい!」という子どもの心を育てます。
小さな感謝が、次の行動を生む力になるんです。
2. 兄弟げんかを“感謝”で終わらせる
どちらかが勇気を出して「ごめん」と言ったら、ママがすぐに「謝ってくれてありがとう」と言葉を添える。
そうすると、もう一人も「自分もちゃんと返そう」と思い、スムーズに仲直りできます。
叱るより、感謝の一言で心が動きます。

3. 家事を「一緒にやる楽しさ」に変える
「ママがお皿を洗うから、あなたは拭いてくれる?」とお願いすると、子どもは「ママがしてくれたから自分もやろう」という気持ちになります。
「やらされる」から「やりたい」に変わる瞬間です。
ママがラクになる子育て
返報性の原理を意識すると、子どもを「動かす」必要がなくなります。
自然に「やりたい」と思ってくれるので、ママの「叱る回数」がぐっと減ります。
その分、ママの心にも余裕が生まれ、家族の笑顔が増えていくのです。
まとめ
子どもは、ママの「ありがとう」「助かったよ」という小さな言葉で大きく変わります。
返報性の原理は難しいものではなく、今日からすぐに実践できる“子育ての魔法”です。
怒るより、感謝を伝える。
それだけで、子どものやる気もママの心も、もっと軽く、もっと温かくなっていきますよ。

【参考文献】
- Influence: The Psychology of Persuasion(Robert B. Cialdini, 1984)
- ロバート・チャルディーニ著『影響力の武器』誠信書房
- 櫻井弘『人を動かす心理学』PHP研究所