最近「ついネットでポチっちゃう」「ストレスがたまるとコンビニスイーツを買ってしまう」なんてこと、ありませんか?
あるいは、「自分へのごほうびにブランドのバッグや服を買っちゃった」なんて経験もあるかもしれません。
実はこれ、脳の「報酬系(ほうしゅうけい)」のしくみと深く関わっています。
今日は、ママたちにこそ知っておいてほしい「買い物依存」と脳の関係について、わかりやすくお話しします。
甘いもの、スマホ、買い物…みんな同じ快感ルート
私たちの脳には、「うれしい!」「たのしい!」「気持ちいい!」と感じた時に働く報酬系という回路があります。
このときに出るのが「ドーパミン」という神経伝達物質です。
このドーパミンは、もともと人間が生き延びるために「快感」をごほうびとして使ってきたもの。
たとえば、食べること・眠ること・人とつながることなど。
でも最近では、
- チョコやスイーツなどの甘いもの
- スマホやSNS
- ブランドのバッグや服、アクセサリー
- そして「買い物」も
この報酬系を刺激して、「一時的な快感」をくれる存在になっています。
買う前が一番気持ちいい?脳のしくみに注目
特に「買い物依存」が問題になるのは、買う前のワクワク感(=ドーパミンの分泌)がクセになるからです。
「これかわいい!」
「安い!今買わなきゃ!」
「届くのが楽しみ!」
こうした期待や興奮によって、脳内でドーパミンがドバドバ放出されます。
実は、買ったあとは意外と冷静…なんて経験、ありますよね?
この流れがクセになると、
「また買いたい」→「また気持ちよくなりたい」→「ついポチる」
という行動パターンができてしまうのです。
高級ブランド品などは、買った時の満足感が大きい分、またすぐ欲しくなることも少なくありません。

子育てママが知っておきたい「こころのサイン」
買い物依存や甘いもののドカ食い、スマホ依存は、本当は「心の疲れ」や「満たされない思い」が原因であることが多いです。
「今日も子どものことで怒ってばかりだった…」
「誰にも感謝されない」
「私だけ頑張ってる気がする」
そんな気持ちがたまっているとき、脳は手っ取り早く快感を得られる方法を探します。
それが、買い物や甘いもの、スマホ、そしてブランド品などなんですね。
自分を責めないで、小さな対策から
「また買っちゃった…」
「自分って意志が弱いな…」
そう思う前に、ぜひ「これは脳のしくみなんだ」と思い出してみてください。
そして、
- 誰かに少しだけ気持ちを話す
- 自分の「好き」を大切にする時間をもつ
- 5分でも外を歩いてみる
そんな小さな行動が、脳の「自然な回復力」を取り戻す第一歩になります。
おわりに:ママの笑顔は家族の幸せ
脳は変えられます。依存も、少しずつならゆっくりほどけます。
大切なのは、「自分を責めず、仕組みを知ること」です。
ママが笑顔になれば、それだけで子どもも安心します。
今日から、「自分の気持ち」とちょっとだけ向き合ってみませんか?

【参考文献】
- 岡田尊司『依存症のすべて』筑摩書房
- 藤田紘一郎『脳と心の整理術』講談社現代新書
- 世界保健機関(WHO)「行動嗜癖と依存」報告書より
- American Psychological Association: Reward Pathways and Dopamine(2020)