はじめに|その服、安全ですか?
元気いっぱいに走り回る子どもたち。
「汚れてもすぐ洗える」「濡れてもすぐ乾く」そんな機能性の高い洋服は、ママたちの強い味方です。
でも、ちょっと待ってください。
その便利さの裏側に、「PFAS(ピーファス)」という健康リスクをはらむ化学物質が隠れているかもしれません。
PFASとは?|“永遠の化学物質”と呼ばれる理由
PFASとは、撥水性・防汚性・速乾性などを高めるために使われる化学物質の総称です。
中でも有名なのが「PFOA」や「PFOS」。これらはお水の汚染などでも問題視され、一部が世界中で規制されるようになってきました。
でも実は、PFAS全体の中で規制されているのはごく一部。
まだまだ私たちの身の回りには、見えない形で存在しているのです。
PFASが子どもに与える健康リスク
PFASは「永遠の化学物質」とも呼ばれ、体内に入るとほとんど分解されず、長期間にわたって蓄積されるという特徴があります。
特に子どもの体はまだ成長段階で、影響を受けやすいといわれています。
以下のような健康リスクが、国内外の研究で指摘されています:
- ◯んのリスク増加(特に腎臓◯ん、睾丸◯ん)
- 甲状腺ホルモンの乱れ(成長や代謝に関係)
- 免疫力の低下(ワクチンへの反応が弱くなるという報告も)
- 発達障害や学習障害との関連性の指摘
- 出生体重の低下や妊娠異常のリスク
アメリカでは、ある地域の水道水からPFASが検出され、住民の健康被害が社会問題となっています。
衣類からの直接吸収は水や食べ物ほどではありませんが、肌に触れるものだからこそ、長期的には無視できないリスクといえます。
子ども服にも?PFASが使われる身近な製品
特に注意したいのが、以下のような撥水・速乾・防汚をうたう衣類です。
- スポーツウェア
- 通園用の撥水パーカー
- アウトドアブランドの子ども服
実際に、有名ブランドからも、PFAS(フッ素化合物)が検出されたことがあります。
もちろんすべての製品に含まれているわけではありませんが、知って選ぶことが大切です。

安全への取り組み|進むPFASフリーの流れ
少しずつ、企業も対応を進めています。
- Patagonia(パタゴニア):いち早くPFASフリーを目指し取り組み中
- H&M・ZARA:PFAS使用禁止を積極的に進行中
- ユニクロ:2017年以降、撥水加工製品にPFAS不使用を宣言
ただし、これらも完全にPFASがゼロというわけではなく、目標に向けた途中段階です。
とくに数年前に買った服は、今もPFASを含んでいる可能性があります。
ママにできる“選ぶ力”
「デザインが可愛いから」「ブランドだから安心」
そんな理由で選んでいませんか?
でも、ラベルの表示やブランドの公式サイトで成分や方針を調べることで、より安心な選択ができます。
ママのちょっとした気づきが、子どもの未来を守る力になります。
まとめ|“便利”の裏にあるリスクを知ろう
PFASは、一度体内に入ると分解されにくく、体に長く残る化学物質です。
だからこそ、子どもたちが毎日着る洋服には、安心できる素材を選んであげたいですね。
完璧を目指さなくても大丈夫。
まずは今持っている服を見直すこと、そして次に選ぶときは「成分にも注目してみる」ことから始めてみませんか?

【参考文献】
- 環境省「PFASに関する情報」
- EWG(Environmental Working Group)“PFAS Contamination in Consumer Products”
- ATSDR(Agency for Toxic Substances and Disease Registry, USA)
- グリーンピース・ジャパン「PFASと衣類の関係」
- 各ブランド公式サイト(Patagonia、UNIQLO、ZARA、H&M など)