子育て中、つい言ってしまうこんな言葉…

• 「こぼさないでね!」

• 「転ばないでね!」

• 「失敗しないようにね!」

実はこれ、子どもには逆効果かもしれません。

「黄色いバナナを思い浮かべないでください」

……どうでしょう?思い浮かべちゃいましたよね?

脳は「〇〇しないで」と言われても、まず「〇〇」をイメージしてしまいます。

そのあとに「しないで」という指示が来ても、すでに頭の中にはそのイメージが広がっているのです。

脳が混乱するとどうなるの?

脳には「イメージしたことを現実にしようとする性質」があります。

たとえば、「転ばないように」と言われると、まず“転ぶ”動作を想像し、

それを打ち消そうと脳が必死になります。

でもこのとき、脳内は抑制と行動の信号が同時に混ざっている状態。

前頭前野(判断や制御をつかさどる部分)が混乱し、体がスムーズに動かなくなるのです。

実は大人の世界でも同じことが…

ある運送会社では「交通事故をなくしましょう!」という標語が掲げられていました。

ところが、その会社ほど事故件数が多かったという事例があります。

理由はシンプル。「事故をなくそう」と言いながら、常に“事故”を意識しているから。

脳はそのイメージに引きずられ、注意が分散してしまうのです。

スキーの例がわかりやすい

「木にぶつからないように」と思いながら滑っていると、吸い込まれるように木に向かってしまう

これは「木」というイメージにフォーカスしてしまい、体が無意識にそちらへ向かってしまうからです。

脳は「避けたい対象」よりも「見ている対象」に動こうとする性質があります。

NGワードよりも「肯定の言葉」が効く!

「〇〇しないで」ではなく、「こうしようね」という具体的な行動のイメージを伝えるほうが、子どももスムーズに動けます。

言い換えのヒント:

NGワードOKワード
こぼさないでねゆっくり運ぼうね
転ばないでね前を見て歩こうね
ケガしないでね気をつけて遊ぼうね
割らないでね両手でしっかり持とうね

「いい声がけ」は子どもの行動を変える魔法

夜寝る前に「今日も楽しかったね」「よく寝た~」

朝起きたときに「今日もいい日になりそう!」

そんな前向きな言葉は、子どもの脳をリラックスさせ、ポジティブな行動につながります。

まとめ

• 「〇〇しないで」は、逆にその行動をイメージさせてしまう

• 脳はイメージに反応して、混乱すると体の動きに影響が出る

• 「木を避けよう」と見るとぶつかるように、子どもも“見たもの”に向かう

• 子どもには「こうしようね」と、前向きな言葉をかけるのがコツ

日常の声かけひとつで、子どもの未来が変わります。

ぜひ今日から、やさしく前向きな言葉を届けてあげてくださいね。

【参考文献】

• 志賀一雅『心と体が軽くなる!脳にいい言葉』三笠書房

• 山口創『子どもの「脳」は肌にある』光文社新書

• 苫米地英人『「言葉」があなたの人生を決める』フォレスト出版

• 日本交通心理学会・交通安全教育資料

• スポーツ心理学における「ターゲット・フォーカス理論」